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沖縄県全戦没者追悼式で朗読される平和の詩 最優秀作品賞は「これから」に決定

6月23日に執り行われる沖縄全戦没者追悼式で朗読される平和の詩が、今年は県立宮古高校3年の仲間友佑さんの作品「これから」に決定しました。

平和祈念資料館が取り組む平和メッセージ事業は、子どもたちが戦争と平和について考え、豊かな感性にあふれた平和メッセージを国の内外に発信することを目的に行われていて、今年で34回目です。

図画と作文、詩の部門で合わせて2100点の応募があり、215点が入選しました。

詩の部門の最優秀賞作品に選ばれたのは、宮古高校3年の仲間友佑さんの作品「これから」です。

祖父母も戦後生まれの仲間さんは、テレビのドキュメンタリーを見て平和のありがたさとともに、なぜ戦争をするのかと疑問を強く持ったことが詩を書くきっかけとなり、平和のメッセージを発信したいと取り組んだということです。

沖縄平和祈念資料館前川早由利館長:
「審査委員からは戦争と向き合い平和のために自分が何をしていきたいのかを力強く訴えていた。また、倒置による余韻や美しくも鋭い表現が大変印象的な作品でしたという評価を頂いています」

平和の詩は、慰霊の日の沖縄全戦没者追悼式で仲間さんが朗読する予定で、図画や作文で入選した作品の一部は、6月23日から糸満市の平和祈念資料館に展示されるということです。


第34回「児童・生徒の平和メッセージ」詩部門 高校生の部
最優秀賞「これから」 県立宮古高等学校三年 仲間友佑

短い命を知ってか知らずか蝉が懸命に鳴いている 冬を知らない叫びの中で僕はまた天を仰いだ

あの日から七十九年の月日が流れたという 今年十八になった僕の祖父母も戦後生まれだ それだけの時が流れたというのに

あの日 短い命を知るはずもなく少年少女たちは誰かが始めた争いで大きな未来とともに散って逝った

大切な人は突然誰かが始めた争いで夏の初めにいなくなった 泣く我が子を殺すしかなかった 一家で死ぬしかなかった 誰かが始めた争いで常緑の島は色を失くした 誰のための誰の戦争なのだろう 会いたい、帰りたい 話したい、笑いたい そういくら繰り返そうと誰かが始めた争いがそのすべてを奪い去る

心に落ちた暗い暗い闇はあの戦争の副作用だ 微かな光さえも届かぬような絶望すらもないような怒りも嘆きも失くしてしまいそうな深い深い奥底で懸命に生きてくれた人々が今日を創った 今日を繋ぎ留めた 両親の命も僕の命も友の命も大切な君の命もすべて

心に落ちたあの戦争の副作用は人々の口を固く閉ざした まるで戦争が悪いことだと言ってはいけないのだと口止めするように 思い出したくもないほどのあの惨劇がそうさせた

僕は再び天を仰いだ 抜けるような青空を飛行機が横切る 僕にとってあれは恐れおののくものではない 僕らは雨のように打ちつける爆弾の怖さも戦争の「せ」の字も知らないけれど、常緑の平和を知っている あの日も海は青く同じように太陽が照りつけていた そういう普遍の中にただ平和が欠けることの怖さを僕たちは知っている

人は過ちを繰り返すから時は無情にも流れていくから今日まで人々は恒久の平和を祈り続けた 小さな島で起きたあまりに大きすぎる悲しみを手を繋ぐように受け継いできた

それでも世界はまだ繰り返してる 七十九年の祈りでさえもまだ足りないというのなら それでも変わらないというのなら もっともっとこれからも僕らが祈りを繋ぎ続けよう

限りない平和のために僕ら自身のために 紡ぐ平和がいつか世界のためになるそう信じて

今年もこの六月二十三日を平和のために生きている その素晴らしさを噛みしめながら

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