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ブルーインパルス宮古島市で初の展示飛行 思惑巡り抗議も

今年は県内でも「戦」を彷彿とさせる動きが加速した1年でした。航空自衛隊は11日、宮古島市で初めとなるブルーインパルスの展示飛行を行いました。会場に多くの人が詰めかけた一方、市民団体などは宮古空港の軍事利用に向けた地ならしだなどと抗議の声をあげました。

宮古島市で初めてとなるブルーインパルスの展示飛行は航空自衛隊の宮古島分屯基地の開庁50周年を記念したものです。

航空自衛隊は当初、展示飛行のために下地島空港の使用を県に打診していましたが、民間機以外の使用を認めない「屋良覚書」により県が難色を示したため宮古空港に変更しました。

空自宮古島分屯基地高木寿宗2等空佐
「当初は那覇離陸、那覇に戻るというプランでしたけれども宮古の青年4団体、経済界からの要請も受けて、それに応えていきたいという思いをもって。安全性を考えると、より広い下地島空港が使えればいいというところありましたけれども、(宮古空港の使用で)少しでも長く演技を楽しんでもらえるだろうと。」

観覧のため市の内外から多くの人が会場を訪れ、カメラやスマートフォンを向け撮影するなどおよそ10分間のパフォーマンスに見入っていました。

松本さおり記者
「展示飛行に喝采が上がった一方で、こちらでは市民が抗議のシュプレヒコールを上げています。」

宮古空港を使用した展示飛行は民間空港の軍事利用を見据えた地ならしだなどして市民団体などはデモ行進で展示飛行に反対の声を上げました。

宮古島市民
「市民は普通に喜んじゃってると思うんですよね、飛行が見られるということで。でもやっぱり奥にはこういう意味が含まれているんだということも知らないといけないと思うので。」

「地ならしといったらあれだけど、観光とか、そういうのに利用すると言っている皆さんもいるんだけど、政府と自衛隊の思惑はそういうものじゃないと。」

宮古島市の座喜味市長は今回の飛行は記念事業であるため、政治的に賛否を判断するものではないという考えを示しました。

座喜味市長
「行政事務的に空港の許可が下りる、そういうことであれば当然にして使用し曲芸飛行ができるというのがいいではないかと。平和への道というものについては、基地反対賛成の人も含めて、この平和への道をお互い探るべきだというのが私の考え。」

政府は先島諸島の民間空港や港湾を自衛隊が円滑に利用できるよう整備する方針を掲げる中で今回宮古空港を使用して行われたブルーインパルスの展示飛行。

覚書が交わされている下地島空港についても政府は柔軟に利用できるよう県に協力を求める考えです。

玉城知事は12日、自衛隊の民間空港使用についていろいろな意見があることを承知していると述べるにとどめました。

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