国葬めぐり分かれる行政の対応 「踏み絵」となる懸念
国葬の実施やそのあり方について世論が2分されるなか、県内の自治体でも対応が分かれました。
識者は「政府の国葬に関する説明が曖昧な中特定の政治家に対する評価を社会全体に押しつけている」と警鐘を鳴らしました。
▽仲宗根琢人記者
「きょう執り行われる国葬に合わせて沖縄市役所では半旗を掲げて亡くなった安倍元総理への弔意を表明しています」
沖縄テレビの取材では41市町村のうち沖縄市や浦添市、石垣市など11市町村が半旗を掲揚しました。
一方、那覇市は「7月の葬儀の際にすでに弔意を示した」と半旗を見送り、宜野湾市は「市の規定がなく半旗にする根拠がない」としました。
岸田総理は政府として弔意を強制することはないと繰り返しましたが、自治体によって対応がわかれる結果となりました。
▽専修大学・山田健太教授
「国葬という国の正式な儀式として行う一方で、弔意を求めないというのは非常にわかりづらい。ある種チグハグだと言われても致し方ないような政府の対応があるわけですから、そのときに自治体がどうそれに対応するのか、政府の意向をどう考えるのかという非常に難しい判断を迫られたということが言えると思います」
半旗を掲げた理由について「歴代最長の総理を務め民主主義の根幹を覆す凶行に倒れたことに対して弔意を示すため」と説明した沖縄市。
自治体として弔意を表すことでどのような影響が考えられるのでしょうか。
▽専修大学・山田健太教授
「特定の政治家に対する一定の評価を自治体がするということにも繋がりかねない。弔旗を掲げることによって、地元住民が自治体の意向を忖度をするという状況も生まれかねないということがありますから、様々な形としての表明が一定程度、地方自治体の住民の間で影響があるだろう」
県は7月の葬儀で弔意を示したとして半旗を掲げませんでした。
国葬に参列しない考えを早々と表明した玉城知事は報道陣に次のように述べました。
▽玉城知事
「国民の中には様々な考えがあり、その弔意を表したいということにはそれぞれの立場、考えがあると思います」
政府は都道府県知事や国会議員など、国と地方の政界関係者2300人に参列を呼びかける案内状を送付しました。
一方、この行為が招待された人の見識を問う「踏み絵」となり、国民の分断を招く一因にもなったと山田教授は指摘します。
▽専修大学・山田健太教授
「結果的には政府の政治的な判断、あるいは特定の政治家に対する評価というものを社会全体に押しつけているという状況があるわけでこれがまさに弔意の強制。」「社会全体に対して、政府が一つの方向性に誘導する、あるいは社会全体を印象操作によって特定の評価を固定化する、あるいは批判をしづらくするという状況が今起こってるということに関しては、非常に憂慮すべき状況だと思っています」
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