公開日
OKITIVE編集部

OKITIVE編集部

アジア各国のスタートアップ新鋭たちが沖縄(OIST)に集結!DX、観光、地方創生、投資戦略、デジタルノマド……その本質とは?

経済的な収入だけでは幸福は大きくならない

そのほかにも“美食の街”として知られるバスク地方(スペイン)や景勝地として人気のあるヴェルナッツァ(イタリア)も紹介した上で、二木氏は「経済的な収入だけでは幸福は大きくなりません。地元の人たちも含めた地域のコミュニティがしっかりと形成され、“持続する”ことではじめて地方創生が成り立つと考えています」と語った。

「私は“暮らし”をつくることを徹底的にイメージしています。観光地をつくっているわけではなく、暮らしの先に観光の可能性があるんです」と語り始めた岡崎氏は、「公民連携」や「農村と都市の融合」といったキーワードに触れつつ、自身が手掛けた「オガールプロジェクト」を紹介。その土地が固有に持つ「暮らし」に焦点をあてた視点から、まちづくりについて、そして沖縄と観光のあり方について述べた。

「作らなければならないのは都市であり、都心ではありません。土地が高いところでやることを土地が安いところでやるべきではないし、東京の真似事をすべきではないんです」と岡崎さんは強調する。都市は「カルチャーと多様性の生態系」、都心は「機能が集約された装置」と、双方の違いを明確に示した上で観光についての論に展開させ、都心的な観光=『見せるための場所』、都市的な観光=『暮らしが息づく場所』と定義づけた。

沖縄の可能性については観光地としての知名度がある一方で、課題も指摘した。「リゾート偏重の観光モデルは経済の一極集中を生み、地域の空洞化が進みます。そして本土資本による開発は、結局のところ地元経済への還元が限定的になるのが現状です」。
こうした状況を踏まえた上で、沖縄が目指すべき未来として岡崎氏は「『観光のために暮らしを変える』のではなく、暮らしを磨くことで観光が生まれる地域づくりが必要です。地域の歴史や文化、日常の営みを観光資源として再発見することが、持続可能な地方創生につながります」と解説。「“暮らし”なくして観光なし」と断言した。

あわせて読みたい記事

あなたへおすすめ!