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長嶺 真輝

長嶺 真輝

目指すは「ミスターキングス」クラブ初“U22契約”!琉球ゴールデンキングスU18・佐取龍之介に与那嶺翼HC「190cmのPGに…」

与那嶺翼HCが佐取の将来像に連想した選手は…

「190cmのPGに…」琉球ゴールデンキングスU18・佐取龍之介を変えた与那嶺翼HCの一言競 技歴6年弱でクラブ初の“U22契約”勝ち取る
フリースローを打つ前のルーティンでフロアに手を付く佐取

2年生に進級する直前、もう一つのターニングポイントが訪れる。与那嶺HCが新年度に向けて選手一人ひとりと面談した際、佐取にこう伝えた。

「龍之介はプロになれるよ」
「190cmのポイントガードになれ」

この「190cmのPG」という選手像について、与那嶺HCには明確なイメージがあった。宇都宮ブレックスに所属する22歳の若手有望株、小川敦也である。

身長190cmで悠々とダンクを叩き込む身体能力がありながら、優れたハンドリング能力を持ち、PGを本職とする。筑波大学の3年生だった2023年の全日本大学選手権ではチームを3位に導き、優秀選手賞、アシスト王、MIPに輝いた。

佐取の万能性を目にした与那嶺HCが小川を連想したことには、理由がある。

「僕がbjリーグ時代に大分ヒートデビルズでプレーをしていた時、チームメイトに選手兼アシスタントコーチで小川忠晴さん(現Wリーグ・アイシンウィングスコーチ)という方がいて、小川選手は忠晴さんの息子さんなんです。だから、僕は小川選手が3、4歳の頃から知っていて、その後に彼が世代別日本代表になったり、大学バスケで活躍したり姿をずっと見てきました。佐取はまだ身長が伸びていたので、小川選手のようになれるかもしれないと感じました」

その後、与那嶺HCは小川の試合動画を見付ける度に佐取と共有した。日々のワークアウトで自信を深め、さらに目指すべき選手像が固まっていったことで、佐取は「2年生の頃にはプロを意識するようになっていました」と振り返る。

3年生ではキャプテンに就任し、エースとしての自覚も向上。ハンドリングスキルや3Pシュートの精度を磨いたことで得点力が格段に上がり、得点とリバウンドが二桁に達する「ダブルダブル」を記録する試合が増えた。

クラブはさらなる成長を後押しするため、昨年10月にユース育成特別枠に登録。プロのレベルを間近に見たことでプレーの基準が上がり、今年度にあったBリーグU18の「チャンピオンシップ」「エリートリーグ」ではいずれも大会ベスト5を受賞。得点とリバウンドでダブルダブルを記録する試合も多く、一気にBリーグU18世代を代表する選手の一人に躍り出た。

キングスU18での最後の大会となった2月22〜24日のインターナショナルカップでは、初戦の千葉ジェッツU18戦で43得点19リバウンドという驚異のスタッツを記録した。この大会ではサイズのある海外チームとの対戦も合わせ、全4試合を行なって計57本ものフリースローを獲得。力強いドライブからファウルをもらう場面が多く、これも与那嶺HCとのワークアウトの成果と言えるだろう。

プロ契約を勝ち取るまでに急成長を遂げたキングスU18での3年間について、「1番(ポイントガード)の練習ではなかなか上手くいかないこともありましたが、翼さんが常に一緒に練習してくれて、期待に応えたいという思いがありました。翼さんのおかげで、大きく成長することができました」と振り返る。

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