公開日
長嶺 真輝

長嶺 真輝

目指すは「ミスターキングス」クラブ初“U22契約”!琉球ゴールデンキングスU18・佐取龍之介に与那嶺翼HC「190cmのPGに…」

1年夏に訪れた“転機” ワークアウトで「才能」磨く

「190cmのPGに…」琉球ゴールデンキングスU18・佐取龍之介を変えた与那嶺翼HCの一言競 技歴6年弱でクラブ初の“U22契約”勝ち取る
日々のワークアウトでハンドリングスキルを磨いた

キングスU18に合流すると、早速面食らうことになる。

「栃木にいた頃はPGをやっていましたが、まわりを見たらガード陣が自分より全然上手くて、バケモノ級ばかりでした。衝撃でしたね」

一つ上の代には須藤春輝(大阪体育大学1年)と宜保隼弥(国士舘大学1年)、同級生にも#99新垣元基や#11平良南海輝というスキルの高いガードが揃っていた。チーム内では高身長に分類され、リバウンドに対する感性の良さも備えていたため、加入直後はインサイドを中心にハッスルすることに注力した。

4カ月ほどが経過した頃、転機が訪れる。真夏の8月中旬に行われた、BリーグU18の全チームがトーナメント形式で頂点を争う「チャンピオンシップ 2022」の準々決勝でのことだ。相手はライジングゼファー福岡U18だった。

キングスU18の与那嶺翼HCが振り返る。

「彼がチームに入ったばかりの頃は泥臭くリバウンドを取って、走って、というプレーが中心でしたが、福岡戦では一人で20点以上を決めたんです。ドライブや速攻など幅広いパターンでスコアし、後半の初めには3Pシュートを柔らかいフォームで決めて、そこからチームが一気に波に乗りました。1年生がああいう舞台で活躍することは簡単ではありません。僕の中で『あ、こういうプレーもできるんだ』という発見があり、才能の片鱗を見た気がしました」

この試合における佐取の最終スコアは両チームトップの24得点。放ったシュート13本のうち10本(成功率76.9%)を決め切った。試合は競り合いが続いたが、終盤で突き放してキングスU18が86ー73で勝利した。

その後、現役時代にキングストップチームでエースガードを務めた与那嶺HCは、佐取に対して自らスキルを伝授するワークアウトを行うように。日々の積み重ねで佐取のスキルレベルが目に見えて向上していき、メンタル面もポジティブさを増していった。

佐取自身も成長を強く実感した。

「キングスU18に入った当初は経験を含めて、自分がチームの中で一番下にいる感覚で、周りに追い付くことだけで精一杯でした。しかし、ワークアウトをして徐々に周囲とレベルが合ってくると、『自分でもやればできる』という思考になっていきました」

あわせて読みたい記事

あなたへおすすめ!