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植草 凜

植草 凜

怪我をしない体を作る!攻撃的サッカーを支えるフィジカルコーチ 【FC琉球 新シーズン開幕前 特別企画#2】 渡邉翔フィジカルコーチ(41)

セレッソ大阪での経験と新たな挑戦

去年までの7年間はJ1のセレッソ大阪に在籍し、国内トップのレベルを肌で感じてきた。
「世界に羽ばたく選手が多くいるチームでできたことは何にも変えられない経験でしたね。世界基準を知れた。J1の選手は自分の体に対してとてもデリケートで取り組みが全然違います。 香川真司選手なんかすごかったですよ。ここまでやるか、ちょっと抑えなよっていう時もありました。笑」
国内最高峰のJ1を経験しJ3へと活躍の舞台を移す渡邉コーチ。

怪我をしない体を作る!攻撃的サッカーを支えるフィジカルコーチ 【FC琉球 新シーズン開幕前 特別企画#2】 渡邉翔フィジカルコーチ(41)

「やっぱりトライですよね。セレッソで得たものももちろんありますけど沖縄でも同じような仕事ができたら僕の自信にもなりますし自分自身の存在価値を証明できますよね」
渡邉コーチの新たな挑戦には沖縄ならではの気候など、さまざまな壁が立ちはだかる。
「ほかの地域よりも夏が長いわけじゃないですか。10月くらいまで暑い。そこはもう未知の世界です。日差しを浴びているだけで目に見えない疲労が出てくるので。その分トレーニングにも気を使わないといけないと思います。テンポよく短く…。日に当たれば当たるほど体にとってはストレスになるので」

近年の夏以降に成績が落ちる傾向についても暑さが要因の一つにあると分析している。
「以前、セレッソでスペイン人監督が指揮をとっていた時に練習を夕方にしていたんです。 それはすごい良かったんです。日を浴びないだけで疲労の蓄積が減らせて、その期間は成績が良かったんですよ。ただ沖縄で夕方にグラウンドを使うのは 難しいと思うのでやはり午前中にしかできない。いろいろな工夫が必要になるので監督と密にコミュニケーションを取っていきたいと思います」
筋肉など体の内側だけではなく気候、環境など様々な要素が資本の体に影響を及ぼす。状況を見極め的確なトレーニングを行う渡邉コーチの指導を受け、選手自身もこの短期間で成長を実感しているという。

「まだ合流して数週間ですが、成長している実感もありますし、見た感じでもう全然違いますよ。動きが速くなりましたね。接触に対しても強くなってきましたし明らかに違いますね。 選手も体が動く!と言ってくれるので。これを長いシーズンで継続しなきゃいけない、加えて沖縄というコンディショニングが難しい環境、そこもまたトライですね」

前十字靭帯断裂のケガでトレーナーの道へ

神奈川県出身の渡邉コーチ。中学生まで部活動でサッカーに励んでいた。
「そこからは自分の道を探していろいろなジャンルの仕事をやりました。引っ越し屋とか体を使う仕事はもう一通りやりました。引っ越しの仕事をしながらも趣味レベルで楽しみながらサッカーは続けていました。その時に前十字靭帯を切ってしまったんですよ。怪我をして自分が好きなことが、好きなスポーツができなくなるきつさを感じて、トレーナーになろうと思ったんです」
専門学校で一から学び直し横浜清風高校でトレーナーの道をスタート。専門学校で非常勤講師として後輩たちを指導するなどさまざまな道を経験しながらトレーナーとしてのキャリアを築き上げてきた。

去年5月のルヴァンカップ3回戦・FC琉球対セレッソ大阪の一戦では渡邉コーチはセレッソの一員として来沖していた。
「あの日は午前中にバックアップメンバーのトレーニングをしてから向かって、飛行機が遅延していたので危うく試合に送れるところでした。あの時はまさかここがホームになるとは思ってもいなかったので不思議な縁ですよね。笑」

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