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濃厚ソースでいただくオムライスと昭和歌謡曲がレコードから響くレトロ空間「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」(北中城村)

中城湾が見え隠れする閑静な住宅地。北中城公民館近くの分かれ道から、傾斜のかかった道を右折した突きあたりに「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」はあります。
取材日は快晴に恵まれ、「ニュー・キタナカ」の黒い文字が映える真っ白なお店の外観が、青空と深くシンクロしているように感じました。
目次
落ち着いた雰囲気とは対照的な、迫力満点の音響設備に目を奪われる

2019年にミュージック喫茶としてオープンした「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」。
家具屋やブックカフェを経て、それぞれの特徴を残しながら現在のミュージック喫茶へと落ち着いたのだそう。青い空に招かれるように店内へ足を踏み入れました。

大きな窓から朝の陽ざしが店内に差し込む時間帯に訪れたのですが、建物の周りの緑が差し込む光をやわらげ、まるで腰を下ろした場所が、自分だけの心地よい空間にかわるようでした。
来店者を迎えるために設置されたソファーは深紅で統一され、上品な家具が落ちついた昭和な雰囲気をかもしだしています。

店内にちりばめられている、オーナーの純喫茶へのこだわり。
壁に備え付けられた棚には、昭和を思い起こす花もようのアデリアのテーブルウェアがおしゃれにレイアウトされており、気に入ったものは購入もできるのだそうです。

カウンターのなかを覆いつくすように設置された巨大JBL社のスピーカーとマッキントッシュのアンプから、懐かしいメロディーが聞こえてきました。音響設備の存在感はおもわず息をのむほどの迫力です。
中高年の懐かしい感情を呼び起こす昭和歌謡曲を中心としたBGMが、若い世代には新しいリズムとして受け入れられ、心地よい空間を作り上げているようでした。

オーナー自らが趣味で集めたレコードや音響機器があらゆる場所に設置されている店内。特に白い壁にきれいにならべられたレコードは、懐かしさに思わず足を止めてしまいます。
部屋の中央にはレコードボックスもあり、気になるレコードがあったらリクエストも受け付けていて、店内で流してもらえるのだそうです。
レコードを聴く機会なんてなかなかないので、ぜひお気に入りを見つけてリクエストしてみたいですね。
レコードの懐かしくも美しい響きから、音響機器への日々の手入れのよさも伝わってきます。

店内の片隅に故障と表示され申し訳なさそうに、佇んでいるジュークボックスを見つけ目をやると、調子が悪いといいながらもコインを投入してくれました。1980年代を代表するアイドル中森明菜の「ジプシー・クィーン」が聞こえてきます。流れる音は故障中とは思えないほど繊細で、クリアな音が広がっています。
残念ながら現在電気系統に問題があるようですが、聞こえてくる音はいまも昔も変わらない状態を保っています。
長い間人の心を感動させてきた精密機器だからこそ、ときどき調整をしなければならないようです。しかし製造が終わってしまった繊細な機械は、悲しいかな部品を探し出すにも、手をいれてくれる専門家を見つけるにも、なかなか苦労があるようです。
ジュークボックスファンは少なくないのではないでしょうか。気になる方はぜひ足をはこんでみてくださいね。
運がよければ、コインを投入してもらえるかもしれません。
昭和の純喫茶にこだわった「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」のメニュー
ステンドグラスのやさしいあかりが照らし出すメニューには、クリームソーダにレモンスカッシュ、プリン・アラモードなど、昭和の純喫茶を思い出させる名前がならんでいます。
「私が考案した、はやりのメニューは採用してもらえないんですよ」と答えてくれたのは、今回お店の紹介をしてくれた笑顔が素敵な幸良(こうら)さん。
23歳とは思えないくらい落ち着いた雰囲気が、レトロな店内に馴染んでいます。

Vシネマ好きの彼女は、「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」に惚れ込んだすえ、3年前に働きはじめたのだそう。
好きが高じて自分の居場所を見つけた彼女の店への想いは、質問にテンポよく答えてくれるやりとりからも伝わってきます。

深紅のソファに深く腰をおろしたところでタイミングよく運ばれてきたのは、「ドリップコーヒー 550円(税込)」と「懐かしのオムライス 1300円(税込)」。
銀の皿に盛りつけられたオムライスはシンプルに仕上げられ、薄焼きの卵の下にはケチャップライスが存在感をアピールしています。
ケチャップライスはそのままでも十分なおいしさですが、添えられた濃厚ソースと一緒にいただくとトマトのおいしさが増したように感じます。
「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」の香り豊かな珈琲とこだわりのデザート

選び抜かれた珈琲はそれぞれ珈琲好きにはたまらない「豆ポレポレ」と「山田珈琲」の豆がセレクトされています。

デザートは、数量限定のモリンガシフォンケーキをチョイス。
ふわっふわっの生地と、ほおばると溶けていく口あたりが、さらに珈琲の香味を増してくれるようです。
スーパーフードと呼ばれるモリンガが入ったシフォンケーキは、それだけでも専門店ができそうなおいしさでした。
幸良さんおすすめのしっかり固めの「トラディショナルプリン 550円(税込)」は、次回のお楽しみに取っておきたいと思います。
レトロさが魅力!老若男女ペットまで喜ぶ「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」
昭和の魅力が満載な「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」。幅広い年代に受け入れられている理由はきっと、オーナーのコレクションの数々と店の雰囲気が、懐かしくもあり新しくもあるからなのかもしれません。
ふだんは若い女性客に人気のある「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」も、ときには動物連れのお客さまで賑わう日もあるそうです。
ペット同伴OKで、大型犬から小さなハムスターまで、そのときどきで来店する動物も種類は問わないそう。さらにペットシートを持参していただければ、店内のシート席への案内も可能だとか。
家族同様に愛してやまないペットと同伴できるとあっては、動物好きにも気になるお店になりそうです。
昭和の古きよき時代に浸るにも、動物と一緒に穏やかな空間を過ごすにも、おいしいお店のメニューでおなかを満たすにも、どれをとっても満足させてくれる「ミュージック喫茶 ニュー・キタナカ」。
ぜひ気になるリストに加えてチェックしてみてくださいね。きっと穏やかな時間に満足するでしょう。
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