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OTV報道部

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「国は沖縄島にはない生き物が住んでいる土砂を持ち込もうとしている。」専門家は生態系の影響を危惧

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普天間基地の名護市辺野古への移設計画を巡り、沖縄防衛局は大浦湾側の海に投入する石材の確保に向けて奄美大島での調査を進めている。

専門家は、沖縄県外から持ち込まれる石材に特定外来生物が紛れ込んでいれば、沖縄固有の生態系が崩れかねないと危惧している。

調達先の候補 奄美大島

辺野古の埋め立て計画に必要な土砂の量はおよそ2020万立方メートルに上り、現在、政府は土砂を沖縄本島北部で調達している。

今後、大浦湾側の護岸工事や地盤改良工事などを控え、より多くの土砂や石材が必要となることから、政府は調達先の候補地に挙がる鹿児島県奄美大島とうるま市宮城島の採掘場を事前に調査するとしている。

沖縄大学 桜井国俊 名誉教授
「国は沖縄島にはない生き物が住んでいる土砂を持ち込もうとしている。それはとんでもなく、取り返しがつかないことになる」

環境学が専門の沖縄大学の桜井国俊名誉教授は、絶滅危惧種を含む5000種以上の生物がいる辺野古の海に沖縄県外からの石材が投入されれば、その豊かな生態系が壊されると警鐘を鳴らしている。

さらに、沖縄島にいない生物が入ってきた場合、もともといた生き物がやられてしまうかもしれないと警告している。

搬入を規制する条例

沖縄県は2015年に特定外来生物が土砂や石材に紛れて県内に侵入するのを防ぐため、県外からの搬入を規制する条例を施行していて、持ち込まれた土砂への混入が認められれば、知事は土砂の搬入や使用中止を勧告することができる。

沖縄大学 桜井国俊 名誉教授
「強制力はないけれども、少なくとも条例で勧告ができるわけですよね。奄美の土砂を調べたら沖縄島にはいない生き物が見つかる可能性があります」

この条例が初めて適用されたのが2016年の那覇空港第二滑走路の建設工事。

奄美の採石場を調査した結果、周辺から特定外来生物が見つかった。

当時は沖縄総合事務局が石材を洗浄するなどの侵入防止策を講じた上で使用していて、関係者によると辺野古の埋立ても石材を洗浄すれば使用は可能だとしている。

沖縄大学 桜井国俊 名誉教授
「(洗浄では)100パーセント除去はできないんですよ。99パーセント除去できたとしても、残りの1パーセントは自分の非常に住みやすい環境に来てしまえば、どんどん増えるわけですから」

なぜ奄美から調達 透けて見える政府のねらい

埋め立て用の土砂を巡り政府は、沖縄戦の激戦地だった本島南部も採取場所の候補に挙げていたが、遺骨が混じる恐れがあると反発が上がっている。

桜井名誉教授は奄美大島から調達することで、こうした批判を避けようとする政府の狙いが透けて見えると言う。

沖縄大学 桜井国俊 名誉教授
「国に対して私は、なぜ奄美の土砂を使わなければならないのか。沖縄の土砂を使いにくい理由をきちんと言ってもらわないといけないと思います」

土砂や石材の確保がままならない中で進む埋め立て工事。辺野古移設を何としても推し進めたいとする国の強硬な姿勢が浮き彫りになっている。

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