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沖縄県産素材 × 割烹料理の融合『arinkaya アリンカヤ』の見た目も素材も洗練された「”いなり”と”そば”のランチ」(浦添市)

沖縄県浦添市にある「港川外人住宅街(港川ステイツサイドタウン)」OKITIVEでも数々のお店を紹介してきている、沖縄本島の南部でも地元民にも観光客にも人気のエリアだ。
今回は「港川外人住宅街(港川ステイツサイドタウン)」に新しくオープンした、和食店『きまぐれな和食店 arinkaya(アリンカヤ)』を取材した。
『arinkaya(アリンカヤ)』は、与那国島出身の大将「東迎 高清さん」が大阪の心斎橋にて15年以上続く割烹料理店「おおさか料理 浅井 東迎」の姉妹店となり、大将の娘「東迎 明奈さん」が店長として店を切り盛りしている。
沖縄県産素材を活かした「いなり寿司」や「そば」は、外人住宅街という異国情緒が漂うスポットでお洒落であり、やさしく、美味しく、基本的にはランチやテイクアウトを楽しめるきまぐれな和食店だ。
※日によってディナータイムがある。
目次
『arinkaya(アリンカヤ)』は港川ステイツサイドタウン#17
車で58号線を横にそれて少し走ると「港川外人住宅街(港川ステイツサイドタウン)」に到着する。

『きまぐれな和食店 arinkaya(アリンカヤ)』は、港川ステイツサイドタウン#17
にあり、外観は白と濃いグレーでまとめられている。

入り口や看板のロゴもお洒落で、外人住宅の雰囲気と混じり合い、和食というよりもベーカリー(パン屋)のようにも見える。

外にテラス席も用意があり、ここならフランクに「いなり寿司」を楽しめそうだ。
4タイプの雰囲気を体験できる「きまぐれ」な店内

『arinkaya(アリンカヤ)』の店内に入るとまず目につくのがカウンター席。
5席のカウンター席は、一人でふらっと立ち寄っても気軽に楽しめそうなオープンキッチンカウンターだ。

店内の飾りや小物や生花も、和食店ならではというか、お洒落で雰囲気がある。

木の温もりを感じるテーブル席の客室(客席)。個室にも使えるこの席は落ち着いた空間で食事を楽しめる。

スタイリッシュで透きとおったテーブルとイスの客室(客席)は、空間を広く見せてくれて開放感がある。

小上がりで畳のある客室(客席)にはちゃぶ台があり、昭和レトロ感のある落ち着いた雰囲気だ。

ランチタイムなので外は明るく、窓の外に見えるカラフルな外人住宅を見ると、異国情緒が溢れている。沖縄県内でも「港川外人住宅街(港川ステイツサイドタウン)」ならではの景色だ。
色々なコンセプトを感じる客室(客席)はいかにも「きまぐれ」感を演出している。
店長は『arinkaya(アリンカヤ)』で、イベントなども企画しているそうだ。
『きまぐれな和食店 arinkaya(アリンカヤ)』のメニュー
ランチのセットコース、いなり寿司単品、期間限定アイスなど、さまざまな食事とランチが楽しめるメニューはこちら。

『arinkaya(アリンカヤ)』の外壁に貼ってある、全体的なメニュー。「arinkayaセット」や全種類の「いなり寿司」単品、「パイ豚の米煮そば」、期間限定の甘味「最中アイス」など写真掲載したメニューが貼られている。

店内のグランドメニューは、単品フードとドリンクの構成となっている。

ランチセットのメニューには「アリンカヤセット」と「プレーンいなりセット」の詳細が細かく記載されている。割烹料理店のお品書きのようなメニューだ。
「いなり寿司」5種類すべてを堪能できる「アリンカヤセット」
ランチに提供される「アリンカヤセット」は、前菜から始まり、いなり一の皿(3貫)、いなり二の皿(2貫)と続き、温かい蕎麦と最後に締めのデザートまでとなる、しっかりと食べごたえのあるセットがコースとして順番に提供され、2,090円(税込み)となっている。
前菜は、ゆし豆腐サラダ

ドレッシングは自家製で、鰹の出汁をベースとした醤油味に少しだけごま油の風味が引き立っている。ゴーヤと玉ねぎのシャキシャキの食感がちょうど良く、大阪泉州産の玉ねぎの甘みがゴーヤの苦味とマッチする一品。
彩りが綺麗な、沖縄風味の「いなり3種」

2品目には『arinkaya(アリンカヤ)』の看板メニューといえる「いなり寿司」が先に3種提供される。

まず「プレーンのいなり寿司」。お米は秋田県の農家さんと直接契約し『arinkaya(アリンカヤ)』専用の田園で栽培されたお米を使用している。
シャリの自家製すし酢には沖縄県産のハンダマ(※1)を使用していて、ほんのりピンクに色づいている。皮は出汁の味を優しく感じる味付けとなり、酢飯の味を引き立たせてくれる仕上がりだ。
※1:ハンダマとは、和名で「スイゼンジナ(水前寺菜)」といわれる葉野菜。表は青々とした色の葉で裏は鮮やかな赤紫色をしている。沖縄県が指定している「伝統的農産物」の一つで加熱すると少しぬめりが出て、葉の赤紫色が鮮やかになる。

「島胡椒ピパーチと与那国米味噌そぼろのいなり寿司」は、米味噌そぼろの旨味、島胡椒ピパーチのピリ辛の刺激がちょうど良い。鰹出汁酢に漬かっているパプリカと、紫キャベツの酢漬けの酸味が口のなかでシャリの味と混ざりあって華開く感じだ。

いなり3種の最後は「海老とアボガド山椒マヨネーズのいなり寿司」は、赤いピンクペッパーが見た目もかわいく、ひとくち頬張るとプリっとした海老の食感とともに柑橘系の香りとともにピンクペッパーと山椒の香りが広がり、甘みと風味のバランスがとてもよくさっぱりと舌を整えてくれる。
「いなり2種」は強肴(メイン料理)とも言える肉と魚

3品目は強肴(※2)と言っても過言ではない「八重山牛ローストビーフ山葵クリームチーズのいなり寿司」と「鰻と胡瓜の土佐ジュレ掛けのいなり寿司」だ。
※2:強肴とは、和食のコースや懐石料理などで「強いてもう一品すすめる肴」という意味、料理人(大将や店主)のお薦めの品となる。洋食コースだとメインにあたる品。

いなり寿司の上には細かくサイコロ状にカットされた八重山牛ローストビーフが溢れそうなぐらい盛り付けられている。さすが八重山牛!肉の旨味がしっかりとしていて美味しい。
そして、山葵クリームチーズが八重山牛、酢飯、いなりの皮の全体の味のバランスを整えている。目で見ても楽しめ、食べても美味しい1貫だ。

適度に脂がのり弾力のある食感が美味しい鰻。鰻のタレの味とキラキラに透き通った土佐酢ジュレの相性がとてもよい。胡瓜が鰻と土佐酢のマリアージュを後押しして、全体のバランスが取れている。
この「いなり2種」は、牛肉と鰻のどちらをとっても強肴(メイン料理)と呼べるほど美味しい2貫だ。
故郷も沖縄も経験と思考の一杯。パイ豚米煮SOBA

最後の一品は大阪の「浅井 東迎」でも人気料理というパイ豚米煮に、沖縄で製麺された、あざみ麺をあわせた『arinkaya(アリンカヤ)』の限定メニュー「パイ豚米煮SOBA」。
米煮と聞いてもあまりピンとかこない方も多いのではと思うのが、生米と豚肉を炊いて豚肉がホロホロに美味しくなる料理。米煮に使用しているパイ豚はもちろん沖縄県産のブランド豚だ。

そこに、与那国島のミネラルが豊富な土地で育ったイリオモテアザミ(※3)をふんだんに練り込んだあざみ麺を合わせている。
つるっとしつつ、もちっとした食感のあざみ麺は沖縄そばというよりも日本そばに近い食感だ。

与那国島出身の大将は大阪で修行し「浅井 東迎」として独立。そして、その時間をかけた知識、経験と選びぬいた食材をふんだんに詰め込んだ思考の一杯を「パイ豚米煮SOBA」に感じた。
※3:石垣島以南で分布し海岸に生える、ギザギザの緑の葉で、夏の温かい時期にピンク色の花を咲かす植物。
〆は与那国島の伝統野菜パワーベジタブル長命草を甘味で

食事が終わると、最後に甘味(デザート)が提供される。与那国島産の長命草(※4)や県内の黒糖を使用した「長命草のわらび餅」だ。
わらび餅の上にまぶしてあるのは、長命草いりのきなこ、沖縄県産に黒糖を使用した自家製の黒糖蜜がたっぷりとかかっている。
わらび餅には長命草が練り込まれ、うっすら緑色になっている。ぷるっもちっとする食感と、長命草の苦味とマッチして後味がよい。
最後の甘味まで、大将の故郷の想いと食す人への心遣いを感じる。
※4:長命草はボタンボウフウ(牡丹防風)と呼ばれる野菜で、栄養価がとても高く、「パワーベジタブル」と「1株食べると1日長生きできる」と言われることもある。
与那国島では赤ちゃんの健康長寿を願う儀式や、五穀豊穣、航海安全を祈る神事にも使われる沖縄の伝統野菜。
ライトに楽しめる「プレーンいなりセット」
先に紹介した「アリンカヤセット」だと食べきれない方や少しライトにランチを試したい方には「プレーンいなりセット」1,190円(税込み)がオススメだ。




「きなぐれな和食店」ならではの夏限定デザートと特別なコース
「きまぐれな和食店」をコンセプトとする『 arinkaya(アリンカヤ)』では、通常メニューとは別の内容の「きまぐれな」メニューが存在している。
夏限定の甘味アイス最中
実に和食店らしい甘味(スイーツ)だ。「長命草のわらび餅」とバニラアイスをぱりっとサクサクの最中に挟んだスイーツとなっている。

長命草入りとなると少し背徳感が薄れる甘味(スイーツ)だ。
また、「長命草のわらび餅」抜きの「沖縄黒糖蜜と長命草きな粉のアイス最中」495円(税込み)も提供されている。
「きなぐれな」月に一度の本格割烹料理
月に一度、大阪から「浅井 東迎」の大将「東迎 高清さん」が厨房に立ち、完全予約制で本格的な和食のコース料理を提供している。
「浅井 東迎」の人気の一品も散りばめたコースとなり、今回はコースの一部も紹介しよう。


取材日が6月だったため「水無月おまかせ」と表現され、[先付け]平貝と泉州馬場ナスのトマト酢掛け[椀物]枝豆真丈のお吸い物[お造り]鱧、烏賊の雲丹巻き[煮物]サエズリと青菜[焼物]ぐじのポテサラ焼き、順才トロロ[強肴]冷やしすきやき[〆の一品]与那国島産長命草の茶そば[水菓子]スイカとパインの炭酸ジュレ。とフルコースの料理が提供される。
平貝と泉州馬場ナスのトマト酢掛け

大阪泉州産の水茄子(馬場ナス)と平貝のサラダ仕立てとなっていて、程よい酸味のレモンを感じるドレッシングが歯応えのある平貝の貝柱に奇跡の野菜とも言われる馬場ナスの水々しさと甘さが、シャキシャキの葉野菜とマッチする。

サエズリと青菜

「サエズリ」とはくじらの舌のことで、歯応えがありプルプルとした食感をしている。噛むと旨みが奥の方からやってきていつまでも頬張れる。さっぱりとした出汁とカラシがちょうどよくマッチする和食のお椀料理だ。大阪の「浅井 東迎」でも提供される人気の一品。

冷やしすきやき

こちらも「浅井 東迎」でも人気の一品という「冷やしすきやき」。
与那国島産の「どなん和牛」は、与那国島で潮風を受けてミネラル成分が多く含まれた牧草を飼料として育った牛の肉は赤身に旨味をたくわえ、しつこくなくジューシーな仕上がりで脂も美味しい。

シャキッとした歯ごたえが残る野菜、味の染み込んだ糸こんにゃくが濃い口で甘めの割り下と濃厚な卵黄と混ざり合う一品となっている。
『arinkaya(アリンカヤ)』ではこのような本格コースも月に一回の席に限りがある完全予約制だが「きまぐれ」に味わえるのも魅力のひとつだ。
『きまぐれな和食店 arinkaya(アリンカヤ)』店長の想い

父である大阪心斎橋「浅井 東迎」のおやっさん(大将)は、元々は与那国島の出身で、父の故郷でもある沖縄県でお店を開きたいという想いで沖縄県に出店しました。
それと、店名の『arinkaya(アリンカヤ)』は与那国島では東迎を意味します。なのでアリンカヤと聞いて東迎を連想する、与那国島の方にも来店して頂きたいです。
「港川外人住宅街(港川ステイツサイドタウン)」を選んだのは、あえて、市街ではなく沖縄らしさがある雰囲気のいい場所でお店を営みたいと考え『arinkaya(アリンカヤ)』を開きました。「浅井 東迎」は心斎橋というにぎやかな場所なので、「浅井 東迎」に来てくださるお客さまとは違った雰囲気のお客さまにも足を運んで頂きたいという想いもあります。
きまぐれな和食店としては、月に一度の予約限定コースを提供させて頂いたり、今後はイベントなども考えています。
きまぐれにお店を休んだりはしないので安心してご来店ください。(笑)
「東迎 高清さん」は月に一度の限定コースのため、6月のこの日限定で『arinkaya(アリンカヤ)』の厨房に立っていた。
Information

- きまぐれな和食店 arinkaya(アリンカヤ)
- 住所
- 〒901-2134 沖縄県浦添市港川2丁目17−2
- 電話番号
- 098-917-5039
- 営業時間
- 11時30分~17時00分
- 定休日
- 日曜日
※きまぐれな限定コースはInstagramを御覧ください。 - 駐車場
- あり 3台
- カード
- 準備中 ※2023年 6月現在
- 電子マネー
- PayPayのみ ※2023年 6月現在
- URL・SNS
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