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OTV報道部

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悲劇から80年。いまも800人近い子どもたちが深海で眠る…平和を願う鎮魂歌

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対馬丸事件で犠牲となった子どもたちのためにつくられた合唱曲「海のトランペット」が2024年9月、浦添市で披露された。

悲劇から2024年で80年、歌を通して平和を願う人々の姿があった。

対馬丸と神戸市とのつながり

「海のトランペット」は、対馬丸とともに海に沈んだ子どもたちを慰めるためにつくられた混声合唱組曲である。対馬丸の撃沈から80年の節目を迎え、鎮魂の祈りを込めて2024年9月にコンサートが開かれた。

地域の合唱団や有志など老若男女が集って結成された海のトランペットの合唱団。そのなかに、神戸市役所センター合唱団のメンバーが参加した。

神戸市を拠点に活動するアマチュア合唱団は1989年、「海のトランペット」を制作した。

沖縄から九州へ向かうまでは、神戸港から対馬丸が出港していた。

対馬丸は疎開船となる前まで神戸を拠点に貨物船として使用され、船員には神戸出身者が多くいたという。

神戸にゆかりのある船が多くの子どもたちと共に沈んだ悲劇を忘れてはならないと「海のトランペット」はつくられた。

神戸市役所センター合唱団 田中嘉治 団長
「800人近い子どもたちが今も800メートルの深海で眠り続けています。私たちはその事件を未来にも引き継ぎ、知ってもらうべきだと思うし、二度と対馬丸のような惨劇が起こらないことを願っています」

音楽でしか訴えられないことがある

作曲したのは、これまで数々の映画やドラマ音楽の楽曲を手掛けてきた池辺晋一郎さん。

池辺さんは「感情の表現や状況の雰囲気など、音楽でしか訴えられないことがある」と語る。

「海のトランペット」より
「ぼくらは あまりに子供すぎて 巨(おお)きな時間(とき)を 失くしてしまった 夏の終わりの あの日のままに」

対馬丸の悲劇と平和への思いは歌となり、次の世代へ受け継がれていく。

神戸市役所センター合唱団 田中嘉治 団長
「平和の願いを訴えるこの歌というのは、多くの人の心を揺り動かす力があると思う。『海のトランペット』は大きな役割を果たすのではないかと思います」

作曲家 池辺晋一郎さん
「音楽で何が訴えられているのか、これから何を後世に残していくのかということを、ぜひ聴き取っていただきたい。語り継ぎ、歌い継ぎ、引き継いでいっていただきたいと思います」

「海のトランペット」より
「海はかなでる 海はうたう ぼくらの心をうけとめて ぼくらの時間をふるわせて」

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