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長嶺 真輝

長嶺 真輝

琉球ゴールデンキングスが「欧州クラブ」から招待された“真の価値” 安永淳一GMに聞く、イタリア遠征の意義とは

最注目は名将率いる「パルチザン」 若手育成にも効果

琉球ゴールデンキングス_イタリア遠征
パルチザン・ベオグラードに所属するブラジル出身のブルーノ・カボクロ。パリ五輪の日本戦では33得点を挙げた©fiba.basketball

今回のトーナメントは、初日にキングス対トラパニ・シャーク、デルトナ・バスケット対パルチザン・ベオグラードの2試合が組まれ、2日目に勝者同士が決勝、敗者同士が3位決定戦を行う。キングスの試合は配信ができるよう調整中とのこと。

デルトナは16チームで構成される昨シーズンのイタリアリーグ1部で8位に入り、トラパニは先述のように1部昇格を果たしたばかり。両チームとも国の代表クラスはいるが、実力や過去の実績を見るとセルビアのパルチザンが突出している。

ユーロリーグで優勝経験があり、パリ五輪銅メダルのセルビア代表メンバーも複数所属。五輪の日本戦で33得点を挙げたブラジルのブルーノ・カボクロや、銀メダルを獲得したフランス代表のフランク・ニリキナらも名を連ねる。豪華メンバーを率いるのは、様々なチームでユーロリーグを計9回制した欧州屈指の名将ジェリコ・オブラドビッチである。

「世界的なレジェンドとされるヘッドコーチが率い、歴史のあるパルチザンと試合をすることは一つの憧れでもあります」と安永氏。もし対戦できれば、キングスの選手たちにとって極めて貴重な経験になることは間違いない。「日本で一番の選手を育てたいのか、バスケットボールという競技の中で一番の選手を育てたいのか、という違いです。井の中の蛙にならず、どんどん井の外に出ることが必要です」と続ける。

現在キングスに日本代表はいないが、松脇圭志や脇真大など、若手、中堅の選手がクラブに所属しながら世界トップ級のプレーを体感できることは、個々に成長を促し、将来の代表入りにつながるかもしれない。

欧州の試合会場では、鳴り物の甲高い音が響いたり、客席で大旗が振られたりと、サッカーのような熱狂的な雰囲気が定着している。Bリーグとは異なる観戦文化を体験することは、クラブ経営にとってもいい刺激を得られるだろう。

急速な広がりを見せる「沖縄を世界へ」

琉球ゴールデンキングス_イタリア遠征
「沖縄と世界の繋がりをつくる」とビジョンを語る安永淳一GM

最後にもう一つ、イタリア遠征が持つ大きな価値がある。キングスが昨シーズンから掲げる「沖縄を世界へ」を強烈に後押しすることだ。

安永氏が言う。

「南イタリアという日本からなかなか行けない場所に、僕たちが『琉球』『沖縄』という名前を付けて行くんです。『キングスとは何か』を調べたら、沖縄県や沖縄市が出てきて、行ってみようと思う人が増えるかもしれません。世界と沖縄の繋がりをつくることは、スポーツを通じた社会貢献の一つだと考えています」

キングスは東アジアスーパーリーグ(EASL)にも3季連続で参戦することが決まっており、来シーズンは既にグループステージでマカオ、台湾、フィリピンでのアウェー戦に臨むことも発表されている。

「沖縄を認知してもらうために、いろんな国で戦うことは大事だと思います。とてもハードルは高いですが、将来的には多くの沖縄移民の方がいる南米などでも試合をしてみたいです。『キングスはどこまでやるの?』と聞かれれば、どこまででもやるクラブでいたいです」

活躍のフィールドを世界へと広げるキングスは、歩みを止めない。

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