エンタメ,スポーツ
琉球ゴールデンキングスが「欧州クラブ」から招待された“真の価値” 安永淳一GMに聞く、イタリア遠征の意義とは
「難儀をしても新しいことに挑戦するのがキングス」

話を本題に移す。
今回、キングスが参戦する国際試合は、昨シーズンのイタリアリーグで1部昇格を決めたトラパニ・シャークの主催だ。今季の開幕に向けて地元の盛り上がりをつくるため、他国のリーグを代表するクラブも招いてプレシーズントーナメントの開催を決めたという。
トラパニのGMからキングスに連絡があったのは7月20日頃のこと。日本に繋がりのある関係者を介して「アジアを代表するようなクラブを招聘したい」と招待を受けた。キングスは参戦を即決。安永氏が振り返る。
「招待を受けたことをすぐに役員に伝えたら『是非やりましょう』ということで一致し、社内でもみんな夢とロマンを感じてくれた様子でした。欧州のクラブと試合をできることは、キングスというクラブにとって大きな経験になるという判断です」
遠征は片道のフライトだけで20時間以上を要するため、選手の身体的負担は重い。このトーナメントを含めて9月に行うプレシーズンゲームは県外開催を含めて7試合に上り、Bリーグの2024-25シーズンの開幕を前に厳しいスケジュールをこなすことになる。
それでも安永氏は「まわりから『大変じゃないか』と言われることもありますが、楽をして何もしないのか、難儀をして新しいことに挑戦するのか、どっちを取るのかと言われれば、キングスは間違いなく後者を選びます」と断言する。
小さな離島県を本拠地とし、さまざまな不利性を抱えながらもbjリーグ、Bリーグでいずれも優勝を果たし、2021年からは国内初のバスケ観戦に特化したアリーナである沖縄アリーナをホームコートとするキングス。「日本バスケをリードし、新たなドアを開けていくというのがキングスという球団なんです」とプライドをのぞかせる。
欧州での“存在感”が高まるBリーグ

世界のバスケの中で、長らく後進国と見なされてきた日本にとって、欧州のクラブは雲の上のような存在だった。欧州から見れば極東に位置する日本のクラブに対し、トラパニ・シャークが目を向けた背景も気になるところだ。
安永氏は、それだけ日本のバスケ、そして今季で創設から9シーズン目を迎えるBリーグの存在感が欧州でも高まってきている証左だと説明する。
「10年ほど前であれば、世界的に見てヨーロッパの次にくるリーグは中国のCBAでした。しかし、今ではヨーロッパやオーストラリアの力のある選手、世界各地で活躍するアメリカ人選手らがどんどんBリーグに入ってきています。BリーグはNBAに次ぐ世界No.2のリーグを目指していますが、ヨーロッパでも日本のリーグが次の時代をリードする存在と認識されてきているのだと思います」
キングスにおいても、2020-21シーズンに元フランス代表のキム・ティリと契約を結び、現在所属するジャック・クーリーやアレックス・カークもNBAや欧州のチームを経てBリーグに辿り着いている。給与水準の高まりや生活環境など、選手を惹き付ける要因がリーグ全体として整ってきていることは間違いない。
その上で、安永氏は今回、Bリーグの中でキングスが選ばれたことに対して胸を張る。
「Bリーグができる前にキングスが招待されたかと言うとそれはないでしょうし、かといって、Bリーグができたからキングスが招待されたかと言っても、それも違うと思います。Bリーグの注目度が上がる中、実力があり、多くのファンがいて、ビジネスとしてもしっかり成り立っている優秀なクラブはどこか、という基準で考えた時に、キングスを選んでいただきました。それは、とてもありがたいことです」
あわせて読みたい記事