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3年連続全国ワースト…沖縄県の人身事故における飲酒運転割合。酒で運転はどう変わる?飲酒運転を体験する。

目次
2023年、沖縄県内で発生した人身事故に占める飲酒がらみ事故の割合は、全国平均のおよそ3.2倍で3年連続全国ワーストとなっている。
飲酒運転の危険性を身を持って知ってもらい、飲酒運転をゼロにするための取り組みが浦添市で行われた。
酒を飲むと運転はどう変わる
2024年7月13日、浦添市の第二波之上自動車学校では飲酒運転を実際に体験する講習会が開かれ、地域の事業所の職員など10人が参加した。

第二波之上自動車学校 宮城理 校長
「酒を飲んで運転すると『なんでこんなに違いがあるんだろう』というくらい違いがありますので、どのように違うのか体験して危険性を認識してもらいたい」
参加者たちははじめに教習コースを運転したあと、飲酒運転を体験するためにおよそ1時間、ビールや泡盛などのお酒を飲んだ。

早速、飲酒運転を体験。運転には自信がある様子の参加者も見られたがどうだったのだろうか。
スピードが速くなり、ハンドル操作は飲酒前に比べて反応が鈍くなっている。

参加者の男性
「正直、飲む前は自信ありと言ったんですけど、やっぱり乗り上げた回数とかも多くなったりと、気が大きくなってスピードも出し過ぎたなみたいなのはありますね」
また別の男性は、縁石に接触しそうになったり、急ハンドルが増えた。
別の参加者の男性
「ハンドルの操作とか判断能力というのがすごく低下していたと思います。自分が思っている以上に判断能力や、運転する力というのは低下しているなと思ったので、絶対に飲酒運転はしません」
取材記者も体験
飲酒がどのように運転に影響するのか、取材記者も体験。
350ミリリットルの缶ビール1本と、350ミリリットルのサワー2本を飲んで1時間。運転前に呼気から検出されたアルコールの数値は0.41ミリグラムで、酒気帯び運転となる基準値の3倍近い数値であった。

運転してみると、車両の幅や内輪差などの感覚がうまく掴めない。いつも通り運転しているつもりでも、ハンドル操作の反応が遅くなっていた。

記者
「運転してみて、思っていたよりも乗り上げてしまったり、コースを乱れてしまうことが多かったように感じます。飲酒運転は少しの量でもかなり運転に影響があることが分かりました」
同乗した教官に運転の講評を聞いてみる。
教官
「内輪差の方でちょっと当たっているところがあったので、その辺に関してはちょっと危ないかなと。教習所だったから良かったんですけど、これが路上だったらどんなかなというところがありました」
一人ひとりが強い意志をもって
沖縄県内で後を絶たない飲酒運転。
2023年、飲酒運転で検挙された人を対象に沖縄県警が行ったアンケートでは、あわせて4割以上の人が「警察に捕まらないと思った」「仕事に車が必要だった」と回答している。

また、「目的地まで近いので大丈夫だと思った」「飲酒量が少なかったので大丈夫だと思った」と回答する人も多く、飲酒運転に対する認識の甘さがうかがえる。
飲酒運転体験教室を通して、これが実際の路上だったらと考えるとヒヤリとする瞬間が多くあった。

今回参加した記者は、「怖い」という感覚があったとのことだが、更に酒が進み、その感覚すらも無いまま車を運転すると考えると、事故に繋がることは容易に想像がつく。
浦添警察署 前泊亮 交通課長
「お酒を飲んでハンドルを握ってもらう、非常に恐ろしい体験をしてもらいました。お酒は少量でも運転に影響を及ぼします。飲酒運転は犯罪です。悲惨な事故に繋がりますので、絶対にやめてください」

家族や友人を悲惨な事故の被害者や加害者にさせないために、「飲酒運転をしない・させない・許さない」。私たち一人ひとりが強い意志を持って行動することが大切だ。
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