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「絶対に日本一になりたい」沖縄PGの“DNA”受け継ぐキングスU18の『新垣元基』。父は北中城高で94年全国総体準Vキャプテン
「キャプテンは嫌われてナンボ」与那嶺翼HCも父・雅志さんから助言

試合中は積極的にチームメイトとコミュニケーションを取る。リーダーシップの成熟も著しい。以下は与那嶺HCの評価だ。
「U18に入ってきた頃は、練習に気が入ってなかったり、出したパスを味方が取れなかった時に前向きな態度を取れなかったりすることもありましたが、今はすぐにタッチをしに行ったりすることができるようになりました。沖縄には彼のようなサイズの選手が多く、憧れられる存在になれると思う。将来は富樫勇樹選手のようなプレーヤーに成長してほしいです」
声を出すのはコート上だけではない。「ベンチが暗くなると雰囲気が重くなるので、盛り上げることを意識しています」。オフコートでも味方の好プレーがあればいち早く立ち上がり、声を張る。
現在、チームのキャプテンは佐取龍之介。副キャプテンとして「佐取が全体を見て、自分が個人を見ています」と役割分担をしている。入ったばかりの1年生には特に気を配る。「U18はU15のカテゴリに比べてフォーメーションがとても増えるので、慣れるのに時間がかかる。特に同じガードの選手には声を掛けるようにしています」
現役時代、新垣と同じくサイズこそ小さかったが、粘り強いディフェンスが持ち味だった父・雅志さんも、仲村直人や安谷屋健太ら実力派揃いのチームをまとめる強烈なキャプテンシーを備えていた。与那嶺HCが、もう一つ、取って置きのエピソードを語ってくれた。
「僕が高校3年生の時、雅志さんがOBとしてよく練習に付き合ってくれた時期があり、こう言われたことがあります。『キャプテンは嫌われてナンボだぞ』。それ以来、僕が『これじゃダメだ』と思ったら自分の判断で練習メニューを変えたり、時にはチームメートに厳しく振る舞ったりするようになりました。今でも、僕が変わるきっかけになった金言だと思っています」
しっかりとチームの状況を観察し、言うべきことは言う。時には受け手にとって厳しい内容だったり、伝え方が難しかったりすることもある。そういう場面でこそ、率先してコミュニケーションを取るのもリーダーの役割の一つだ。だからこそ、信頼が積み重なっていく。雅志さんの「金言」には、そんな意味合いが込められていたのだろう。
与那嶺HCが続ける。
「今の元基のリーダーシップを見ていると、お父さんのDNAが彼の中に生きているとつくづく思わされます。僕と雅志さんの関係性がある中、まさかその息子が僕が、選手とコーチの関係性になるなんて初めは驚きました。沖縄のバスケ選手がこうやって繋がっていくのは素晴らしい事だと思います」
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