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琉球ゴールデンキングス

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異例の“11人体制”に秘められた琉球ゴールデンキングスの確固たる「育成マインド」 安永淳一GMが編成に込めたメッセージとは

「常勝と育成」を両立する鍵は“ユースチーム”にあり

異例の“11人体制”に秘められた琉球ゴールデンキングス
沖縄アリーナで行われたBリーグU18の大会。味方の好プレーを喜ぶキングスU18のメンバー=7月20日(長嶺真輝撮影)

ここまでの内容から、キングスがいかに強い「育成マインド」を持っているクラブかが伝わるだろう。

一方で、バスケットボールはサッカーや野球などと違って1チームが契約できる人数の上限が極めて少ないため、「常勝チームであり続けること」と「育成」を両立することは容易ではない。米NBAでは隆盛期を過ぎたチームがサラリー(報酬)の高い主力選手を放出し、若手中心の育成期に移行した途端に下位に低迷するなど、シーズンごとの極端な順位変動もよく見られる。

今シーズンのロスターからは少し話題が逸れるが、この「両立」という難題に挑むため、安永GMはトップチームだけではないクラブ全体としての育成環境の強化も掲げている。鍵になるのは、現在U18(高校生カテゴリー)とU15(中学生カテゴリー)を運営しているユースチームの存在だ。

「これまで岸本選手や田代選手、牧選手のように大学で頭角を現した活きのいい選手が入ってきて成長していくことはありますが、キングスU18からダイレクトで桶谷さんが率いるトップチームに入ってくるような選手が生まれてこそ、本当の育成だと思っています」

現在、キングスのユースチームはBリーグ全体の中でも大きな存在感を放っており、ユースの各大会で常に上位に入る。沖縄アリーナの充実した施設を使って練習し、実績のあるコーチ陣の下で能力を磨いているため、U15から名門の高校に進学する選手も多い。

ただ、安永GMは「まだ話題性のレベル」と満足はない。「彼らがプロに上がってから突出したプレーヤーになれるかが大事なので、そういう選手を育てることに取り組んでいます」と語り、長い目で見ながら地道に育成に取り組む。

設立からまだ8年のBリーグはユースカテゴリーの整備が途上にあるが、自前で選手を育てて強さを維持するという意味では、アカデミーから三苫薫や田中碧ら多くの名選手を輩出しているJリーグの川崎フロンターレが良い例だろう。昨年から若干の低迷期に入っているものの、直近の10シーズンはJ1で年間5位以内が7度、そのうち優勝が4度と栄華を極めた。三苫や田中のように、日本代表や欧州リーグに羽ばたく選手も多い。

キングスもトップチームとユースの縦の関係を強めていくことができれば、川崎のように強豪としての地位をより長く維持できるようになるかもしれない。すぐに成果が出るような話ではないが、だからこそ地道に、継続して取り組んでいく必要がある。

今シーズンのロスターを決めた背景やチームの将来像を含め、今の琉球ゴールデンキングスというクラブのあり方を見詰める上で「育成」という要素は欠かせない視点だろう。

執筆:長嶺 真輝

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