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相撲愛を三線にのせて~作曲家・鶴見幸代

「沖縄の三線と相撲が音楽活動により深みを持たせてくれた。」
そう熱く語ってくれたのは作曲家の鶴見幸代さん。
茨城県出身の鶴見さんはコンサート音楽や映画音楽の作曲を手掛けながら、琉球古典音楽野村流保存会教師を取得するなど沖縄音楽への造詣も深い。音楽と同じく時間をささげているのが「相撲」でプロアマ問わず全国各地の「相撲」についても探求を重ねている。


相撲への思いが高じて、鶴見さんは作曲家仲間と「日本相撲聞芸術作曲家協議会」を立ち上げ、全国各地に伝わる相撲神事や大相撲をリサーチし、新たな芸術を創造するという活動を続けている。


この日鶴見さんが、やってきたのは東京都江東区にある安治川(あじがわ)部屋。
日本相撲協会に所属する相撲部屋としては2023年に誕生した新しい部屋で、国内外からやってきた力士が、番付を上げるために日々稽古を積んでいる。




作曲家・鶴見幸代さん
「安治川親方の現役時代からのファンだったので、部屋を興して本当に感激。我々ファンが来やすいように見学会を開いてくれることも本当に嬉しい。」




作曲家・鶴見幸代さん
「沖縄で音楽を学んでいた時から、伝統的な沖縄角力・牧志ウガンや港川ハーレーなど地域の行事をたびたび見に行った。大好きな沖縄から大相撲の世界に力士が入門したことは本当に嬉しい」


「相撲女子」・鶴見さんが安治川部屋で推す一人が、沖縄出身の力士・安琉海(あんりゅうかい)だ。力士の中では小柄ながらも、「プロに通用するスタミナがあり、プロに向いている」と安治川親方が口説いた逸材だ。
安治川親方の熱い思いに応えるかのように、2023年9月、沖縄県立中部農林高校の3年生の夏場に「角界」入りを決意。その年11月の九州場所で安治川部屋の力士「安琉海」としてプロデビューを飾った。
安琉海
「稽古を積んで、番付を上げて、いろんな人に恩返しがしたい」


安琉海は祖父から譲り受けた三線の練習を始めたという事で、この日ファンの前で鶴見さんと共に「安里屋ユンタ」や「島唄」など多くの人が「沖縄」を思い浮かべる音楽を披露した。


作曲家・鶴見幸代さん
「相撲との縁、沖縄の音楽と縁から、いろんなことがめぐり合って、自分でもビックリするぐらい。安琉海をはじめ、沖縄出身の素晴らしい力士はたくさんいるので、応援していきたい。それが自分の音楽の幅をさらに広げてくれる」


安琉海(本名:前田俊之丞)
2005年11月9日生まれ。
2023年、沖縄県立中部農林高校3年生の時に相撲部の練習を見に来ていた安治川親方にスカウトされプロを目指す。大相撲の力士として一人前として扱われる「関取」を目指して、安治川部屋の兄弟子たちと共に稽古に励む。
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