暮らし,沖縄経済
強く明るく美しく 貧困問題と向き合うゴージャス理枝

那覇市で困窮世帯への食料支援を続けるゴージャス理枝さん。
強く明るく美しく、社会に横たわる課題と向き合うゴージャス理枝さんの活動の日々を追った。
困窮世帯の食糧支援 母親たちとの繋がり求めて
ゴージャス理枝さん
「もともと派手なのが好きだから。やったら楽しくなるじゃん、外に出るのも人に会うのも。戦闘開始みたいな」

大きな鏡の前で手際よくメイクをするのは、赤嶺理枝さん、51歳。
自らを「ゴージャス理枝」と名乗る彼女のモットーは、どんなに忙しくてもおしゃれに手を抜かないこと。

メイクや着替えを終え向かうのは…

ゴージャス理枝さん
「お渡ししようね」
30代女性
「ありがとうございます。こんなにいっぱい」

ゴージャス理枝さん
「いやいや、なかなか来られなくてごめんね」
30代女性
「まだ(旦那の)仕事が安定していなくて。仕事がないのと収入がないのが一緒なので、辛いですね」

ゴージャス理枝さん
「あまり無理せず。困ったらいつでもラインをくれたら、食料は届けにいくので」
ゴージャス理枝さんが取り組む食料支援。週に1~2回、本業のエステサロンを休んで困窮する子育て世帯に2週間分の食料を届けている。

助けを求める女性たちの声を聞けば、沖縄本島全域、どこでも駆け付ける。

2015年、「女性を元気にする会」と銘打ってボランティア活動を始めたゴージャスさん。

頑張る母親達を楽しませようと、マッサージやまつ毛パーマを体験できるイベントを企画したり、冬服が足りない沖縄県内の児童養護施設のために、知人から2トントラックいっぱいの冬服をかき集め届けたりしてきた。

2019年、より困窮する母親たちとの繋がりを求め、一念発起して始めたのが食料支援だ。

食糧を直接会って、手渡す理由
直接会って食料を手渡すのは、その人に合った支援の情報を伝えるため。

この日も、夜遅くから生活に余裕がなく子どものミルクが買えないという10代の母親のもとに駆け付けた。
ゴージャス理枝さん
「ミルク支援っていうの分かる?」

10代女性
「分からないです」
ゴージャス理枝さん
「分からない?ミルク支援っていうのがあって、そこにお願いしたらミルクだけ提供してもらうことができるわけ。すぐ繋ぐことができるけど。じゃあ、住所と連絡先を教えても大丈夫?」

ゴージャス理枝さん
「ミルクも入っているから。ちゃんと食べないとダメだよ」

10代女性
「ありがとうございます」
ゴージャス理枝は美しくいることにこだわる
ゴージャスさんが「美しくいること」にこだわるのはこんな理由からでした。
ゴージャス理枝さん
「常に自分の身なりもしっかりしておかないと、お母さんたちが惹かれないじゃないですか。私たちが元気じゃないと、人を元気にすることはできないんですよ。私たちが下を向いていたら、誰も元気にならないですよね」

ゴージャス理枝さん
「こうやってなりたい、こんな生き方をしたいと思う人が一人でも増えてくれたら、絶対に自立に向けて一歩踏みだせると思う」

この思いは、しっかり母親たちにも伝わっている。
40代女性
「ずっと一人でやってきているから、一人で何していいのか分からなくて。今までネイルとか美容とかもやっていたから、そこまでまた持って行かないと駄目だなと思っていて。(ゴージャスさんに)負けたくないなと思ったから。何でこんな美人なのって思ったから」

ゴージャスさんは貧困に苦しむ沖縄の女性たちや子ども達の未来を変えるために、この現状を一人でも多くの人に知ってほしいと願っている。

ゴージャス理枝さん
「どこまで困窮している世帯があるのか、みんな知らないと思います。ライフラインが止まっている世帯があるっていったら『えっ』て顔をするので。おむつも濡れてから、かえられない世帯もあるんですよ。実際に買えないんですよ。そこにタオルペーパーひいて、また使っているわけ」

ゴージャス理枝さん
「知ること大事ですよね。他人事じゃない、沖縄県内で起きているという事ですよね。やっぱり知ってもらうことで、助けたいと思う人も増えるじゃないですか。やっぱり知ることだと私は思います」
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