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長嶺 真輝

長嶺 真輝

ゴールデンキングスCS初戦の鍵は「リバウンド」と「変則DF対応」!沖縄アリーナに名古屋D迎え12日開幕

ゴールデンキングス
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦でボールを運ぶ岸本隆一=3月15日、沖縄アリーナ©Basketball News 2for1

7カ月超に及ぶレギュラーシーズンを終えたプロバスケットボールBリーグ1部のチャンピオンシップ(以下、CS)が12日、いよいよ開幕する。レギュラーシーズンの上位8チームが年間王者の座を懸けてトーナメント形式(2戦先勝方式)で戦う。

西地区6連覇を果たした琉球ゴールデンキングスは、初戦のクオーターファイナルで同地区3位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下、名古屋D)と対戦する。リーグ全体の総合順位でキングスが2位、名古屋Dが7位だったため、会場は順位が上のキングスのホームである沖縄アリーナ。12日に第1戦、13日に第2戦を行い、1勝1敗となった場合は15日に第3戦を実施してセミファイナル進出チームを決する。

今シーズン、沖縄アリーナで26勝4敗とホームで圧倒的な強さを誇るキングスだが、名古屋Dはリーグトップクラスの攻撃力を備え、激戦のシリーズになることが予想される。勝利の鍵はキングス最大の強みであるリバウンドと、名古屋Dの変則的なディフェンスにいかに対応するか、である。

直接対決の成績は3勝1敗

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名古屋Dの中東泰斗(左)にプレッシャーを掛ける小野寺祥太

レギュラーシーズンの最終成績はキングスが48勝12敗、名古屋Dは43勝17敗だった。大激戦となった西地区で高い勝率を記録した両チームの直接対決の結果は、キングスの3勝1敗。各試合のスコアは以下である。

●72ー94(アウェー) 2022.10.8
◯91ー82(アウェー) 2022.10.9
◯70ー66(アウェー) 2022.11.30
◯79ー74(ホーム)  2023.3.15

1試合目はスリーポイント(以下、3P)を23本中12本成功と高い確率で沈められ、22点差で大敗。この点差は、今シーズン喫した12敗の中で最多の数字である。しかし、2試合目以降は厳しいディフェンスで相手の3P成功率を下げ、勢いに乗せずに3連勝した。

この結果だけ見るとキングスに分があるように見えるが、今年3月にあった4試合目の結果はあまり参考にならない。当時名古屋Dは主力に負傷者が相次いでおり、この試合にわずか8人で臨んだ。それにも関わらず5点差で終え、むしろ劣勢の中でもハードなプレーを続ける名古屋Dの姿が印象的だった。

圧倒的”火力”の攻撃力 勢いに乗せないために…

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今村佳太を振り切ってドライブを仕掛ける名古屋Dの須田侑太郎©Basketball News 2for1

名古屋Dの最大の特徴は圧倒的“火力”を持つ攻撃力だ。試合ごとの平均スタッツは得点がリーグ2位の85.4点、アシスト数も2位の22.7本、3P成功率は3位の35.5%に上る。

高いオフェンス力を支えるのは、アシスト能力に長けた司令塔の齋藤拓実と伊藤達哉のガードコンビだ。特に齋藤は得点能力も極めて高く、主将としてチームを引っ張る。日本代表でも活躍する3Pシューターで、一度入り出すと止まらない元キングスの須田侑太郎、内外から得点できるコティ・クラーク、シュートの安定感抜群のスコット・エサトンなど警戒すべき選手は多い。

キングスに必要なことは、リーグで4番目に低い平均失点(73.5点)を誇る持ち味の堅守で相手を勢いに乗せないことだ。ガード、フォワード陣を中心に間合いを詰め、特に3Pを高確率で沈められる状況だけは避けたい。

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ゴール下でリバウンドをつかむジャック・クーリー©Basketball News 2for1

もう一つ重要なのはリバウンドである。ディフェンスリバウンドではセカンドチャンスを与えず、さらにオフェンスリバウンドも多く取れれば名古屋Dの素早いトランジション攻撃を防ぐ効果も見込める。

大黒柱であるリバウンド王のジャック・クーリーを擁するキングスは平均42.0本とリーグトップのリバウンド数を誇るが、名古屋Dも38.8本とリーグ5位の数字を記録している。相手のハイペースなバスケに付き合わず、アレン・ダーラムとジョシュ・ダンカンも含めた重量級の選手が揃うインサイドに強みのあるキングスのリズムで戦うためにも、制空権争いで負けたくない。

真骨頂の“ボールシェア”で得点を

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チームメートにパスを送る今村佳太©Basketball News 2for1

攻撃のイメージが強い名古屋Dだが、実はディフェンス力も極めて高い。平均失点は76.7点でリーグで7番目に低く、スティール数に至っては8.1本でリーグトップだ。これらの数字を生み出しているのが、試合中に目まぐるしく体系が変わる変則的なディフェンスである。

試合の流れに応じて前線からオールコートのゾーンプレスを仕掛けたり、ハーフコートでもマンツーマンとゾーンが頻繁に入れ替わったりする難解なシステムを採用する。機動力の高いガード陣に加え、須田や張本天傑、中東泰斗などフィジカルが強く運動量豊富な選手も多く、守備からでも流れがつくれるチームだ。

それに対抗するために必要なことは、キングスの真骨頂であるボールシェアを重視したオフェンスだ。ゴールへアタックして相手の守備を収縮させ、ボールを回してフリーをつくり、層の厚い選手たちがバランス良く内外からシュートを決める。60試合に及ぶレギュラーシーズンで磨き上げてきた形を徹底できれば、名古屋Dのディフェンスの変化にも十分に対応できるはずだ。

勝利への最大の後押しは“地の利”

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「GO KINGS」と書かれた応援紙で埋め尽くされる沖縄アリーナの客席©Basketball News 2for1

最後に、キングスにとって勝利への最大の後押しとなるのは、間違いなく“地の利”だろう。昨シーズンのCSでもクオーターファイナルとセミファイナルをホームで戦ったキングスは、無敗で球団初となるファイナルの舞台まで駆け上がった。8千人超を収容し、スポーツ観戦に特化した施設でブースターの熱気を増幅させる沖縄アリーナには、それだけの力がある。

レギュラーシーズンの最終盤、試合後の記者会見でホームコートアドバンテージを獲得することの意義を問われた岸本隆一は、こう語っていた。

「苦しい時のホームの後押しは、言葉にできないくらい力になっています。沖縄のファンは相手のいいプレーにも素直に(拍手をしたりして)リアクションをしますけど、プレーオフでは一つ一つのプレーに対してもシビアになってくるので、相手にとってはすごくやりづらい、嫌なアリーナになると思う。それは自分たちにとって大きなアドバンテージです」

悲願のBリーグ初優勝に向け、CSの初陣に挑むキングス。ファン、ブースターの力強い後押しを背に、まずは大事な初戦でなんとしても白星を勝ち取りたい。

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