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くらしと経済編集部

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3つのトレンドから見る「脱プラ」の動き

後間
こんにちは。後間秋穂です。
今日は3つのトレンドから見る「脱プラ」の動きについて野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。
よろしくお願いします。

宮里
よろしくお願いします。

3つのトレンドから見る「脱プラ」の動き

後間
早速ですが、「脱プラ」とはどのような取り組みなのでしょうか。

宮里
はい。「脱プラ」とはプラスチック製品の使用をやめることを指す、「脱プラスチック」の略です。
具体的には、プラスチックゴミによる海洋汚染を食い止めるために、レジ袋や使い捨てカップなどを使用しないなどの活動を指します。

後間
廃棄されたプラスチックゴミが海を汚染しているという話はよく聞きますが、実際にどのような被害があるのでしょうか?

宮里
まず、漁業や養殖業など産業への影響としては、大きなプラスチックゴミが網に絡まると漁獲量の減少や網が使えなくなるなどの問題があります。

また、海の生き物がエサと間違えてレジ袋などを飲み込んで詰まらせてしまったり波や紫外線によって細かく砕かれた5ミリ以下の「マイクロプラスチック」を取り込んで体内に蓄積させてしまったりする可能性があります。
マイクロプラスチックを蓄積した魚を食べることで人体に悪影響が及ぶ恐れがあります。

プラスチックごみによる様々な影響

後間
「脱プラ」に向けて、国や企業ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

宮里
近年、「脱プラ」の取り組みには3つのトレンドがあります。

一つ目は、「企業間の連携」です。

福岡県北九州市では洗剤などの日用品を製造する同業メーカー10社や団体が連携し、使用済みプラスチック製品を共同で回収する実証実験が行われました。
様々なメーカーの日用品関連のプラスチック容器やパウチなどを、スーパーなどに設置された専用ボックスで回収し、業界全体のよりよいリサイクル方法を検証する取り組みです。

脱プラの3つのトレンドその1

後間
その他、どのようなトレンドがあるのでしょうか。

宮里
2つ目のトレンドは「量り売り」です。

大手小売り企業が運営する健康志向のコンビニチェーンでは、去年2月から、シャンプーやボディソープなど、ボディケア商品などの量り売りを行っています。
具体的には、まずリサイクル原料を使用した無料容器からひとつを選び、必要な量だけを容器に詰め、自動で発行されるシールを容器に貼って、レジで精算するという仕組みです。

続いて、3つ目のトレンドは「新素材の開発」です。

こちらはプラスチック製品を原料から見直す取り組みです。
注目されているのが「海洋生分解性素材」です。レジ袋などが海に流出してしまった場合でも、最終的に海中で分解されれば、海洋汚染を低減することができます。
国内で紡績素材等を開発するA社では、海藻由来の原料をもとにした素材を開発していて、海水中の少ない微生物でも効率的に分解でき、海洋生分解性を証明する国内認証も取得しています。

脱プラの3つのトレンドその2その3

後間
「脱プラ」の今後の動向に注目していきたいですね。宮里支店長ありがとうございました。

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